思い出のこと
過去のことも、いつか見た夢のことも、思い出すときの感覚はとても似ているから、
それに一体なんの違いがあるのか、
ひょっとしたら同じじゃないのか、
思い出じゃなく、大切なのは今の自分の血肉になっていること、それなんじゃない
それだけなんじゃない
教訓のない過去なんて、片っ端から忘れてゆく夢みたいなそんなもん
なんて、そういうこと偉そうに考えていて
だけれども、やっぱりやっぱり、そんな堅い話じゃなくて、
決定的な出来事でもなんでもない、それでいてとても楽しかったことや、
他愛もないけれどもしみじみと嬉しかったことや、
もっともっと小さな思い出。
いっしょにいった場所、いっしょに食べたもの、くだらないことで笑ったこととか、
すごくすごく小さなエピソードたちを
そういうこと、あなたとわたし、いっしょに味わったよね?そうだったよね?
って、すごく確認がしたくなった。
もう何年も会っていない
もし死ぬまでに、ゆっくり話ができるなら
何がしたいわけでなく、この先は絶壁でいいから、
ただ、いっしょに確認がしたいのだ。
わたしの過去を、いっしょに確認してみたい
そんな風に思うのだった