ある主婦と勝手な妄想

お昼、しかたなくひとりでファミレスに行く。

私は基本的にこういったタイプのお店が苦手だ。
広すぎて居心地悪く、知らない人の家庭風景が見えすぎる。
皆が生活の臭いを持ち込みすぎている。
いつもどうしたって落ち着かない。誰と行っても。
ましてひとりはきつかった。



目の前の席に、二人連れの主婦が座っている。
ゆっくりごはんを食べながら、だらけた感じで話しをしている。

その様子を見て、正直ぞっとしてしまった。



40歳近くで、子どもは学校に行っている。
だんなはもちろん仕事。つまんない顔して働いて、夜遅くに帰ってくる。
家にいたってひとり。
だから友だちとファミレス。
たいして美味しくないごはん。どうせ味は何だっていい。
だいたいどうでもいい話が落ち着いたら家に帰って洗濯物を仕舞う。
そんでごはんの仕度。
なんとなくつけっぱなしのテレビ。
黙って子どもが帰ってくる。
子どもとふたりのごはん。
携帯ばっかりいじってる子ども。テレビの音。
ごはんの感想、とくになし。
食器洗って、たいして面白くないドラマ見て、お風呂入る。
だんなが遅くに帰ってくる。世の中ほんとにつまらない、という顔。
でもやたらと疲れてくたびれてる。
ごはんは食べてきたみたい。
何にも言わずにお風呂へ向かう。
「なによ」と思いながらひとりで寝る。
別々の布団。つめたい布団。



あぁ!
私はそんなのいやです!


今日見たその奥さんは何も悪くない。
いや、もっとハッピーなこといっぱい味わって生きてるかもしれないけど、その奥さんがまとっていた空気。表情。そこから勝手に想像しちゃった生活。


それに、ぞっとした。



上に書いた妄想のどこがどう悪いってわけじゃないんだけど、全体に流れるトーンが暗い。そしてつまらない。湿気たおせんべいみたいな日々。

いやだいやだいやだ!と思った。



こんな絵に描いた主婦っているのかな。
いや、みんなもっと楽しくやってんのかな。


でも、つい油断するとこんな感じになっちゃうんじゃないかしら。。




奥さんには申し訳ないけど、私はもっと楽しく生きるよ、と心の中で宣言した。