C'est la vie.

きのうで、出会ってちょうど1年が経った。


初めて顔を合わせた日を思い出す。
あのとき、こんな今を想像もしなかった。



その人に出会うまで、恋人の関係というのは「維持」するものだと思っていた。
今振り返ってみると、きっとそういう意識に支配されていたんだろうと思う。

不安で不安でたまらなかった。
ひとつひとつに臆病になる。別れを気にして、おびえて、自由になれない。
どうすれば関係を保てるか。維持できるか。
どんな幸せなときも、そのことが頭から離れない。
続けたい。続くかしら。分からない。だから不安。
とつぜんのトラブルがこわかった。
疲れていた。



でも、いまはっきりと思う。
本物の関係というのは常に「展開」していくものなんだ。


維持でなく、展開。
保つ必要なんてない。

むしろ、同じ状態であり続けようとするなんて不自然で、
そのうちずるずる停滞し、腐ってしまう。
そんな人とは一緒になんかいたくない。



私は私の人生を展開させ、相手は相手の人生を展開させていく。
あくまでも、軸は自分自身だ。
でも、もちろん私たちは向き合う。
その結果として、必然的にふたりの間(つまり関係)だって発展していく。どんどんと。
それは当然で、自然で、望ましく、素晴らしい。


それを先に気づいたのは彼の方だ。
あとから私にもその意識が伝播してきた。


すごく豊かで自由な気持ちになれた。
もうおびえなくていい。
そして何だか闘志がわいてくる。



ようし、私は私のことを徹底的にやろう。
とことん自分として生きていこう。



京都で、その人の横で、あらためてそんな風に誓った。