革命的感覚

いま感じ、考えていること。
まだ漠然とだけれど、つかみきれないけれど、とても重要だと感じる感覚。


よく「自己表現」というけれど、私は前からこの言葉にひっかかりを感じていた。
違和感。
その言葉を時には大きく感じ、生きるうえで最も重要とさえ思わされ、劣等感すらおぼえ、しかしそれでも何かしら首をかしげてしまう。「自己表現」という言葉。考え方。


表現したいのって、自分のことなんだろうか。



11月3日。
とある演奏会に参加させてもらった。
そのときの演奏によって、私はふいにエゴから解放された。そう感じた。
簡単に言ってしまえばそういうことになる。
しかし、私にとっては革命的な感覚だった。
今も続いている。


今までずっと、「あの人すごい!」と思われたがっていた。
亀川恵子という名を高めたかった。
よい評価を受けたいと思っていた。


でも、なんだかもうそうじゃない。
私の名前、私の評価はもはやどうでもいいような気がする。
こだわるべきは、そこじゃない。


表現したいのは自分自身のことではなくて、
私がどう、はどうでもいい。
もはやただの通り道。
音楽って、要するに「再現」じゃないの。


私が現したいのは、私のことなのか。
私個人のことか。


いや、そうじゃない。
そうじゃないという感覚に包まれている。




新しい扉を開けてしまった。