顔
ひとつの気づきとして。
集中すると、何かに全力になると、いきいきとしてくると、顔が変わる。
もちろん造作が変わるわけではないんだけど、何だか様子が違う。
どう違うか。
きっと、パーツたちがぐっとはっきりするんだと思う。
目、鼻、口。
大きさは関係なく、どんなに小さくたって、そのひとつひとつがぐっとはっきり濃くなる。主張する。サイズではない迫力。
勝負師の顔。
そういう顔はすごくいい。見惚れてしまう。
大変良い。
今日の男子バレーは最高だった!
ひとりぼっちの家の中で、「うぉ」とか「わっ」とか叫んでしまった。とても小さいボリュームで。だけど自然と出てくる声。興奮したもの。
メダルなんかええやん。楽しいのが一番やん。
と誰かが思えば絶対に勝てない。
「勝つ」ことにこだわればこだわるほどプレッシャーがかかる。
絶対に苦しい。
じゃ、そんな苦しみが人にとって害か、といえばそうじゃないと思う。
勝った瞬間の監督のガッツポーズ。
「楽しい!」っていうお気楽な気持ちの何百倍も気持ちいいものだろう。
逃げない人だけが得られる快感。
勝負師って、ほんとにいい顔してる。