母の補足

夜。
土曜だし、どうせ広告しかないよなぁと思いながらポストを開けると、広告の中に一通の封筒があった。

母からだった。


色んなことが頭を駆け巡る。
なぜ、手紙…?

葉書はあっても、手紙が送られてきたことは今まで一度もなかった。
電話ではいけない用件なのだろうか。

気になりながら電気をつけ、鞄を置き、急いで封を切る。


手紙はとても短いものだった。
そこには、お盆に帰省したときに私がしたある質問に対して、その答えに不十分な点があったので補足する旨が書いてあった。
答えにはふたつあって、ひとつしか伝えていなかったらしい。
ふたつめの答えが書かれていた。


「あとひとつは、あなたに絶対的な信頼心があることです」



書かれた文字には絶大なパワーがある。
時には声以上の。


「これからも変わらない気持ちです」


そしてあとはさらっと、かかとのがさがさに効きそうなものの紹介(ちょっと相談してたので)、夏バテにはゴーヤと酢がいいらしいという情報提供で結ばれていた。




いよいよ私は、ほんとうに自由なのだと感じた。