長い朝礼が終わり、わたわたと準備をしていると私あてに電話があって、きのうあなたが発表したことを紙にまとめてfaxしてなんて言われ、時間もないのに思い出しながら書いて送る。

約束の時間に遅れそうで、あわてて会社を飛び出す。
右手にも左手にも荷物。重いけれどどれも置いていけない。
地下鉄に飛び乗って、ちょっと座ってまた乗り換え。

秋葉原についてチャージ。
改札を出て、人のあいだを全力で走る。


走りながら私は、この走ってる女が自分だとはとても思えなかった。
なんだなんだこの身体への衝撃。
なんでこんなに急いでるんだろう。
だけど、だからと言って虚しいというわけじゃなくて


そういうことじゃなくて、
走って向かっているのはお客さんのとこだけじゃなく、



この日々が、とても大切などこかにつながっている。

確実に近づいている。

走ったり、電話かけたり、聴いたり話したり笑ったり、怒られたりそそのかされたり
すればするほど、まだ見えぬ何かに必ず近づいてる。


走るときに感じる身体への衝撃が、わたしがもうすでに何かに向かっているということを
伝えてくれる。



走りながら、あぁそうか。なにも心配はいらないのだと知って、



でも、この走ってる女は誰かしら

と思ったのは誰かしら