風の力

私という存在。
もう少し大そうに言えば、私の存在意義。

それは、対象があって初めて感じられるものなんだと気づいた。

まるで自分は風みたいだ。



何もない、地面もつるつるした空間に風がふいたって、そこに風がふいているのかどうかは分からない。

でも、そこに対象があれば。

たとえば、木の葉がそよいだり、土埃がたったり、火が勢いを増したり、水面が波打ったり。
そういった対象たちが何か変化することで初めて、風は風の力を感じることができる。
周りも、その存在を確認できるようになる。


対象に働きかけること。
それが私の役割であり、生きる喜びにつながるのだろう。


やはり、私は風なのだと思う。



誰かに強く働きかけること。
相手の何かを変えてしまうほどの影響を与えかねない。

それは自分にとって、こわいことでもある。


でも、相手に対して、自分の中で何かコツンと突き当たる確信を持つ閃きを。
身体を突き抜けて、相手に届けたいと思うような言葉を。


私はもっと、もーっと表現していこう。
表現しないでどうするの、と思う。


風なのだから。