グラス

食器屋さんをうろうろ物色していると、思わず「おまえーー!」と心の中で叫んでしまう出会いがあった。
おまえ、こんなとこにいたのか・・と思わず言いそうになる。


それはとても美しく、私で冷たいビールを飲んだらいかが?と言ってるようなグラスだった。
手に持ったときの「うん。これだ。」という感じがすごくいい。うん。とうなずきそうになる。

そっと取っ手を持つと、とたんに使用イメージが湧いてくる。
たくさん働いて、ご褒美にひとりでテレビでも見ながら飲んでるところ。
金曜の夜あたりに「いえーい」とか言いながらふたりで飲んでるところ。
こっちに住んでる友達がやってきて「ひさしぶりー!」と乾杯してるところ。

わー、そういうシーンでこいつがいてくれたら最高やん!と心で叫ぶ。



でも、これがビールのためのグラスなのかよく分からない。
いやたぶんそうやろう・・けど、このグラスの底へ向かう角度はなんや・・。
自問自答が続く。
知らないんだから答えが出ない。
でもこれでビール飲みたいならそうすりゃいいか!と思ってレジへ持っていき、でもためしに、
「あの、これビールジョッキですか?」と訊くと、
「はい。ビアグラスでございます。」と若干の修正が入った。


居酒屋に行き過ぎたなぁ・・。