美しい をもっと

何を見ても美しく、

雨や花や、人の心。 


人の心の、とてもとてもかたくて小さな、美しく光る結晶を感じたとき、

わたしはもう、美しいものしか見たくないと 思った。


最近では、誰を見ても その美しい結晶を感じる


人の、その人が生きている というなかに 美しく小さな輝きを見る。


美しいものを見る。というのは何かずるいこと、何かを見落とすことかもしれないと
妙に恐れていたけれど、

そうじゃない。

美しいものを見る、というのも立派にむずかしいことであるかもしれない。

美しさを発見する。
誰にだってできることではないかもしれない。



今日は「ばらの花」を何度も聴いた。

高校生のとき、とてもとても好きだった人がくれたMDには76曲ものあらゆる音楽がつめこまれ、

何の曲が入っているのかわからないそれを、とてもどきどきしながら聴いた。


ピアノの、シミドレシミドソ・・というキラキラしたリズムがずっと流れつづけ、

それまでに聴いたことのないような声が 歌って。



帰り道。真っ暗で、冬で、空気が引き締まっていて、星を見ながらそれを聴いて、

こんな気持ちがあるのだと知って、歩いた 泣いた

その美しい光景を わたしはいつまでも、一生、死ぬまで離さない。



誰がなんと言おうとも、
その人は、隠しきれない美しさと、優しい目をして生きていた。
私はこの目で見て、心で触れた。

それを一生、忘れない。